
2025年7月22日、世界のロックシーンにおいて“帝王”と称された男、オジー・オズボーンがこの世を去った。76歳。ブラック・サバスのボーカルとして“ヘヴィメタル”の礎を築き、ソロでも多くの名曲を残した男の死は、単なる「有名人の訃報」にとどまらない。彼の存在そのものが、ジャンルを越えたカルチャーだった。
日本では「コウモリを食いちぎった男」など、ショッキングな逸話ばかりが切り取られがちだったが、本質はむしろ繊細で、鋭敏で、圧倒的に“音楽”だった。とりわけ彼の声は唯一無二だった。がなり声でもなく、美声でもなく、どこか崩れそうな危うさを含んだ金属的な響きが、ギターのリフに溶け込みながら、聴く者の内側をえぐってきた。
「Paranoid」のイントロが鳴った瞬間に会場が沸騰する感覚。あれは、誰が歌ってもオジーの声でなければ成立しない“魔法”だった。ソロになってからも、「Crazy Train」や「Mr. Crowley」など、クラシック化した楽曲は数知れない。どこか物悲しさと狂気が共存しているその世界観が、多くの孤独な少年少女の心に突き刺さった。
2000年代に入って家族でリアリティ番組に出演し、強面の帝王がドジなおじさんに見えてしまったのもまた事実だが、それも含めて彼は“人間オジー・オズボーン”だったと思う。表面のキャラクターよりも、ステージに立ったときの彼の姿、それが本当の彼だったのだろう。
最後のコンサートを今月5日に終えたばかりだったという。まるで、自分の終わりを知っていたかのようなタイミングだった。それはファンにとってはある種の“贈り物”だったのかもしれない。
時代を超えて、恐怖を美学に変え、叫びを芸術に変えた男。ロックという文化の中に、“黒魔術”や“狂気”といったキーワードを持ち込んだ功績は計り知れない。
オジー・オズボーンという名は、これからも教科書やプレイリストの中に生き続けるだろう。けれども、あの「声」は、もう二度とステージには戻らない。だからこそ、今、世界中のファンが静かに涙を流している。
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<ツイッターの反応>
グレンダ☆ウルトラ魂
@IK5METALオジーオズボーンが亡くなられた‥ とても残念ですが、最後にあれだけ盛大なラストライブで有終の美を飾れたのは、不慮の死が多いロックスターの中でも幸福だったのかも‥ 最期のパラノイドを R.I.P. pic.x.com/ohx6Bn1pnj
ちいさなおちんみょん
@nnnnpoooオジーオズボーン合掌。こうしてまた一つの歴史が幕を閉じたんだなぁ…こないだニュースでライブ映像見たばっかなのに。
yusuke tanabe@㊗️TOOL2万人キャパで単独来日公演決定!
@GIjqvcrO6JhIuJg久しぶりにブラックサバスの3rd聴こうー!今日はオジーオズボーンの歌声で癒されます!
アキ
@aki_2009kkオジーオズボーンが後世に与えた音楽的影響は凄まじい。自分もそのうちの一人。ハードロック、ヘヴィメタルの始祖と言っても過言ではない。 x.com/OzzyOsbourne/s…
よみガエル転生
@beroberogeroオジーオズボーン、中二病らしく生きて、中二病らしく死んだ
Yoshiki Yoshida
@FFF_023Sドジャース戦で パラノイド流れてたな さみしいよ まあ早速、ランディーローズとアルバム作成準備に入るのかな ありがとうございました #オジーオズボーン #オジー・オズボーン
なおき
@naohookahオジーオズボーン、本当に去り際カッコ良すぎて再度惚れ直してる。死して伝説になるとはまさにこのことよ
まぴ
@ARNOLD_mapiオジーオズボーン死んだんか…
和田浩心こーしん@Superprettycute
@prettycuteplusオジーオズボーン偉大な シンガーだったねー もうあんなインパクトの ある人物出てこないでしょ ご冥福をお祈りします。
クラさん
@clans_man_今思うとオジーオズボーンって、何だか不思議な魅力の人だったよな🤔 イケメンじゃないし(笑)、ハチャメチャだったし、だけど素晴らしい曲作って、素晴らしいギタリスト何人も発掘してきてさ🎸 最期もまるでドラマのような最期で…🙏