不倫疑惑で公認取り消し→山尾志桜里氏が離党届提出「筋が通らない」と党批判

山尾志桜里氏が国民民主党に離党届を提出したというニュースに、正直なところ驚きよりも「やっぱりそうなったか…」という印象を持ちました。2025年の夏の参院選に向けて、5月に公認内定を受けたにもかかわらず、わずか1カ月足らずで党の方針がひっくり返るという事態は、政治家本人にとっても、党にとっても決して良い展開ではなかったと思います。

山尾氏がコメントで語った「執行部主導で擁立いただいたにもかかわらず、両院議員総会での判断という形に強い違和感がある」という言葉には、確かに一理あるように思えます。党のトップダウンで出された内定が、まるで責任回避のようなかたちで組織全体に転嫁されてしまった。彼女が「統治能力に深刻な疑問を抱く」と批判したのも無理はないのかもしれません。

ただ一方で、やはり山尾氏を取り巻く“過去”がこの判断に強く影を落としているのも事実です。不倫報道以降、メディアにたびたび取り上げられてきた彼女に対し、有権者の印象が決して良くなかったということは否めません。記者会見でも明確な説明がなされなかったという印象を持った方も多かったのではないでしょうか。政治家は信頼が命。いくら政策に優れていても、その「人となり」が疑われてしまっては、票を託す側としても不安になります。

また、党としても参院選を目前に控える中で、「理解が得られない」という世論の声を重く見た結果なのかもしれません。しかしその対応があまりにも急で、中途半端な印象を残してしまったのも事実。公認を出す時点でしっかりと説明責任を果たし、仮に問題があるならその段階で判断すべきだったと思います。世論の風向きによってブレる判断は、かえって党全体への信頼も損なう結果につながりかねません。

山尾氏にとっては、またしても“スキャンダルと決別できない政治人生”となってしまった感があります。彼女の政策提言や国会での鋭い追及力を評価する声も少なくなかっただけに、今回のような“印象”による排除は、ある意味で日本の政治文化の弱点を浮き彫りにしたようにも感じます。

今後、彼女が政治の舞台に戻るのか、それとも別の道を歩むのか。いずれにせよ「説明責任」「信頼回復」がカギとなることは間違いありません。そして、国民民主党にとっても今回のドタバタは、決して小さな教訓ではなかったはずです。