
那須川天心さんが緊急非公式会見で、SNSでの誹謗中傷や言葉の受け取られ方に問題を投げかけました。
そこで本記事では、天心さんの会見で語られた言葉に注目しながら、以下の4つの構成でニュースと身近な豆知識をお伝えします。
- 天心さんの緊急会見とSNSへの問題提起のニュース紹介。
- 「目先の満足と時間の使い方」に関する1つの豆知識。
「今すぐ知りたい」は脳の罠。時間的割引が未来の幸せを奪う
- Xのコメントまとめ。
- 筆者の感想。
今回のニュースとともに、目先の満足と将来の利益を比べる心理も知っていただき、次々に流れる情報と日々の生活のバランスをどう取るかを考えるきっかけになれば幸いです。
それでは早速、天心さんの緊急会見とSNSへの問題提起のニュースから見ていきましょう。
天心さんの緊急会見とSNSへの問題提起のニュース情報
今回の会見とSNSへの問題提起に関するニュースをまとめました👇。
天心さんが語ったSNSとの向き合い方をきっかけに、情報を今すぐ確かめたくなる気持ちと時間の使い方を考える、時間的割引にまつわる1つの豆知識をご紹介します。
「今すぐ知りたい」は脳の罠。時間的割引が未来の幸せを奪う
ニュースが更新されるたびに、「今すぐ確認しなきゃ」と思ってしまう経験はありませんか。
「後でゆっくり読もう」ではなく、「今すぐ知りたい」と感じることがあります。
目先の満足と将来の利益を考える視点の一つに、「時間的割引(Temporal Discounting)」があります※1。
未来の報酬は、待ち時間によって価値が下がって感じられる
心理学では、同じ報酬でも、受け取る時点が遠いほど主観的な価値が低くなる傾向が研究されています※1。
これを時間的割引と呼びます※1。
例えば、「1年後に100万円」と「今すぐ50万円」のどちらを選ぶかを考えると、待つ時間が判断に影響することがあります。
ニュースの確認でも、今すぐ知る満足と、後で落ち着いて読む利益を比べるという見方はできますが、これは日常への当てはめであり、この研究がニュース閲覧を直接調べたわけではありません。
時間的割引と先延ばし行動の関連
2024年6月にScientific Reportsで発表された研究では、将来の報酬を強く割り引く傾向と、現実の課題を先延ばしする行動との関連が示されました※1。
ただし、関連があることと、時間的割引がすべての先延ばしの原因だということは同じではありません。
今すぐ取りかかる仕事より、すぐに満足が得られる別の行動を選ぶ場面を考えると、この見方をイメージしやすいでしょう。
将来の利益を小さく感じることが、早く作業を始める動機の弱さにつながる可能性が考えられています※1。
「今すぐ」の誘惑と付き合うための工夫
先の予定を具体的に考えることは、目の前の選択を振り返るための一つの工夫です。
例えば、「ここでニュースを読み続けたら、30分後の作業はどうなるだろう」と考えてみます。
ただし、この2024年の論文では、未来を想像する介入の効果は、今後の研究で確かめる課題とされています※1。
「5分後の自分」「30分後の自分」を思い浮かべる方法は、効果が保証された治療法としてではなく、日常の工夫として試すことができます。
自分に合う方法を探し、ニュースを見る時間を決めることも一案です。
時間的割引とは、将来受け取る報酬の価値が、待ち時間によって低く評価される傾向です※1。
ニュースを今すぐ確認したくなる気持ちを考えるヒントにはなりますが、それだけで原因を特定することはできません。
研究では、将来の報酬の割引と先延ばし行動との関連が示されました※1。
未来を具体的に考える工夫も取り入れながら、情報に触れる時間と日々の予定のバランスを考えてみてはいかがでしょうか。
Xのコメントまとめ
それでは、今回の会見や天心さんへの意見について、Xで発信されたコメントをまとめましたので、紹介していきます。
筆者のコメント
那須川天心さんの会見を知り、SNSに見える反応を、そのまま世の中全体の評価だと思い込まないことが大切だと感じました。
画面の中で同じ意見が続くと、それが誰もが共有する常識のように見えてしまうことがあります。
でも、投稿せずに試合を楽しんだ人も、異なる意見を持ちながら黙っている人もいるはずです。
私たちが見ている範囲には限りがあるという前提を、忘れずにいたいですね。
天心さんの言葉には、SNSの外にある生活や、人との関わりにも目を向けてほしいという思いを感じました。
同時に、SNSで発した言葉が、現実の人に届くことも見失ってはいけないと思います。
画面越しだから影響が小さいのではなく、画面越しでも相手は生活している一人の人です。
気軽な一言のつもりでも、それが何百、何千と重なったときにどう受け取られるかは、書いた側からは見えにくいでしょう。
その想像を少し持つだけでも、使う表現は変わるのではないでしょうか。
今回の報道では、試合後の発言を説明することと、誹謗中傷への問題提起が、同じ会見の中で語られています。
この二つは関わっていますが、別々に考えることも必要だと感じます。
選手の説明に納得できない人にも、誹謗中傷はよくないという意見は持てます。
反対に、選手を応援しているからといって、その人の発言をすべて肯定しなければならないわけではありません。
応援か批判かの二択にすると、その間にある率直で丁寧な意見が出しにくくなります。
スポーツには、期待したからこその厳しさや、悔しさを共有する時間もあるはずです。
そうした気持ちが、人格を否定する言葉に変わらずに伝わる場が増えてほしいと思います。
また、本人がファン同士の反論の応酬を望まないと伝えたことからは、応援の届け方についても考えさせられました。
好きな選手のために何かしたいと思ったとき、誰かと言い争う以外にも、次の試合を待つ、良かった場面を語るといった選択があります。
熱量を競技そのものに向けることが、長く見守る力になるのかもしれません。
私自身、話題の情報をすぐに確認したくなることはありますが、速く感想を言うことばかりを優先したくはありません。
まず内容を読み、分からないところは分からないまま保留することも、誠実な受け止め方だと思います。
天心さんの会見も、短い一言への反応だけで終わらせず、何を問題として示したのかまで考えたいです。
競技への評価は自由に語りながら、相手の尊厳も守れる、その両方が当たり前になることを願っています。
引用文献
※1 Zhang & Ma(2024), Scientific Reports「Temporal discounting predicts procrastination in the real world」
https://www.nature.com/articles/s41598-024-65110-4




















