
さとみさんからすとぷり卒業の知らせが届き、メンバーへの感謝と、個人として続ける活動に注目が集まっています。
そこで本記事では、さとみさんがつづった思いに注目しながら、以下の4つの構成で話題の情報と身近な豆知識をお伝えします。
- さとみさんの10年の感謝と新しい歩みのニュース紹介。
- 「心の痛みと複雑な感情」に関する2つの豆知識。
推しの脱退が「骨折級に痛い」:前帯状皮質が証明した心と体の痛みの正体
他人の失敗で脳が喜ぶ?腹側線条体が暴く人間の本音
- Xのコメントまとめ。
- 筆者の感想。
今回の発表とともに、心の痛みや複雑な感情の研究も知っていただき、人それぞれの思いを尊重しながら卒業を受け止めるきっかけになれば幸いです。
それでは早速、さとみさんの新たな歩みを伝えるニュースから見ていきましょう。
すとぷり・さとみさんの新たな歩みのニュース情報
今回のさとみさんの10年の節目を伝える投稿はこちらです👇。
今回の卒業発表に寄せられるさまざまな思いをきっかけに、心が痛む経験と他者に向ける複雑な感情について考える2つの豆知識をご紹介します。
推しの脱退が「骨折級に痛い」:前帯状皮質が証明した心と体の痛みの正体
推しグループのメンバーが卒業すると、心が痛むように感じることがあります。
「ただのファンなのに」と、その気持ちを不思議に思う人もいるかもしれません。
社会的排除を調べた脳画像研究では、身体の痛みに関わる領域の一部と重なる活動が報告されました。※1
ただし、推しの卒業の痛みが骨折と同じ強さだと証明されたわけではありません。
前帯状皮質は「社会的痛み」と「身体的痛み」の研究で注目される領域
2003年、Eisenberger博士らは、仮想のボール投げゲームで仲間外れを体験する参加者の脳活動を調べました。※1
排除された条件では、参加できた条件より前帯状皮質の活動が高まりました。
この領域は、身体的な痛みに関する研究でも注目されてきました。
そのため、社会的なつらさと身体の痛みの仕組みに共通する面がある、という仮説を支える結果として知られています。
ただし、同じ領域の活動だけで、二つの経験が同じ神経回路で完全に処理されるとは言えません。※2
報告された苦痛と、前帯状皮質の活動との関係
実験では、参加者が感じた苦痛の強さと、前帯状皮質の活動に正の相関が報告されました。※1
ここで分かるのは、実験中の自己報告と脳活動の関連です。
研究は、推しが卒業したファンに骨折の痛みを与え、両者の強さを比較したものではありません。
2014年の研究では、身体の痛みと社会的拒絶で活動する領域に重なりがあっても、詳しい活動パターンは区別できることが示されました。※2
心の痛みがつらいという経験を大切にすることと、身体のけがと同一だと説明することは分けて考えましょう。
人とのつながりと「社会的痛み」を考える
社会的排除が強い苦痛を生む背景には、人がつながりを大切にする性質がある、という考え方があります。
ただし、祖先が集団から離れると必ず死んだ、という一つの物語だけで現代の感情を説明することはできません。
2003年の研究が扱ったのは、ゲーム内での社会的排除です。※1
グループメンバーの卒業は、ファン自身が仲間外れにされる出来事と同じではありません。
それでも、大切な関係や居場所の変化について考える際、社会的なつらさを研究する視点は参考になります。
卒業に感じる寂しさにも、本人との思い出や、ファン同士のつながりなどが重なっているかもしれません。
社会的なつらさと身体の痛みには、脳活動が重なる面を示した研究があります。※1
一方、両者の詳しい神経活動は異なるという報告もあり、骨折と同じ痛みと断定できません。※2
自分の悲しみを、脳の画像や他人との比較で証明しなければならないわけではありません。
変化を受け止めるまでの時間を、自分のペースで持ってよいのではないでしょうか。
他人の失敗で脳が喜ぶ?腹側線条体が暴く人間の本音
他人の不運を見たとき、複雑な気持ちになることがあります。
他者の不幸を喜ぶ感情は、「シャーデンフロイデ」と呼ばれ、心理学や神経科学で研究されています。※3
ただし、誰かの卒業は本人が選んだ節目であり、必ずしも失敗や不幸ではありません。
この研究は、卒業をめぐる特定の投稿者の本音を診断するものでもありません。
嫉妬した相手の不運と、報酬に関わる脳活動
2009年にScience誌へ掲載されたTakahashi博士らの研究は、嫉妬とシャーデンフロイデを二つのfMRI実験で調べました。※3
自分に関係の深い分野で優れた相手の情報を読むと、嫉妬と前帯状皮質の活動が強まりました。
別の実験では、嫉妬した相手に不運が起きる場面で、シャーデンフロイデと線条体の活動が強まりました。
腹側線条体は報酬に関わる研究で知られていますが、活動したからといって、あらゆる状況で同じ快楽を感じるとは限りません。
実験の結果を「人はみな他人の失敗が大好きだ」と一般化しないことも大切です。
嫉妬とシャーデンフロイデはどう関係するのか
この研究では、最初の実験での前帯状皮質の活動が、次の実験での腹側線条体の活動を予測しました。※3
嫉妬を感じる場面と、相手の不運を喜ぶ場面の反応が関連することを示しています。
これは両方の感情が全く同じ回路で処理されるという意味ではありません。
相手との比較や、自分にとっての出来事の意味も、結果を読む際の重要な条件です。
2017年のBrain誌の論文は、神経変性疾患を通じて嫉妬やシャーデンフロイデを検討した別の研究です。※4
2009年のfMRI研究と混同せず、それぞれが何を調べたかを確かめる必要があります。
感情を知ることと、相手への行動を選ぶこと
複雑な感情が一瞬浮かんだだけで、自分の人格のすべてを決めつける必要はないでしょう。
一方、脳で研究されている感情だからといって、相手を傷つける言動が正当化されるわけではありません。
出来事をどう受け止めたかと、その気持ちをどのような言葉で表すかは、分けて考えられます。
卒業の知らせに対しても、応援する人の悲しみを嘲笑したり、本人が述べていない理由を断定したりする前に、一呼吸置きたいところです。
感情をすぐ投稿せず、自分の中で整理する時間を持つ方法もあります。
研究の知識は、他人の内面を決めつける材料ではなく、自分の反応を見つめる手がかりとして使いたいですね。
嫉妬した相手の不運と報酬に関わる脳活動との関連は、実験で報告されています。※3
ただし、誰もが同じ反応をするわけでも、特定の人の心が画像なしで分かるわけでもありません。
自分の感情に気づくことと、相手を尊重した行動を選ぶことの両方を、大切にしていきたいところです。
Xのコメントまとめ
ここからは、さとみさんの節目を受けて、Xに寄せられたさまざまなコメントをご紹介します。
筆者のコメント
今回の卒業の知らせを見て、活動の区切りは、過去の時間の価値を変えてしまうものではないのだと感じました。
さとみさん自身が、10年の選択を振り返り、その道に進んだことへの思いを言葉にしていたことが、とても印象的でした。
応援する人にとっても、これまで楽しかった時間まで失われるわけではありません。
ただ、そう分かっていても、同じメンバーが同じ場所に立つ景色が変わることには寂しさがあると思います。
私は、その寂しさを急いで明るい話に置き換えなくてもよいと感じました。
発表の中では、メンバーが日頃からグループを支えてくれる中で、自分の関わり方を考えていたことも説明されていました。
続けることにも責任があり、離れることにも責任があるのだと思います。
どちらを選んでも全員が納得する答えになるとは限らない中で、自分の言葉で説明しようとした姿勢を、まず受け止めたいです。
私たちは発表された文章を読む立場なので、その背景のすべてを知ることはできません。
だからこそ、行間に対立や原因を勝手に書き足すより、本人が伝えた感謝や、これから試したいことに目を向けたいと思いました。
一人では見られなかった景色を、このグループで見ることができたという思いは、卒業しても仲間との時間が消えないことを感じさせます。
これまでの歴史を大切にしながら、別の形で歩んでいく選択として、見守れたらと思います。
ファンの反応にも、一つの正しい受け止め方はないでしょう。
これからも応援するとすぐ言える人も、今は昔のライブを思い出してしまう人もいるはずです。
その違いを、応援の強さや理解の深さの競争にしないでほしいと感じます。
寂しいという言葉は、本人の挑戦を否定する言葉とは限りません。
新しい活動を楽しみにする気持ちも、過去のグループの姿を忘れるという意味ではないと思います。
大切なものが変わるときほど、自分にも周りにも、少し余裕を持てるとよいですね。
また、さとみさんは今後も配信と動画を続けることを明確に伝えています。
卒業という大きな言葉だけを見ると、もう会えなくなるように感じるかもしれませんが、今後の発信へつながる道は残っています。
次の動画を見て笑う日や、新しい挑戦に驚く日が、これからの思い出になる可能性もあります。
それを急いで期待しなければならないわけではありませんが、少し先に楽しみを置いておける知らせではあると思いました。
10年間への感謝と、これからの活動への関心を、同じように持っていたいです。
本人もメンバーもファンも、それぞれのペースで次の一歩に進めるような、落ち着いた見守り方を大切にしたいと感じました。
引用文献
- ※1 Eisenbergerほか「Does rejection hurt? An fMRI study of social exclusion」(2003)。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14551436/ - ※2 Wooほか「Separate neural representations for physical pain and social rejection」(2014)。
https://www.nature.com/articles/ncomms6380 - ※3 Takahashiほか「When Your Gain Is My Pain and Your Pain Is My Gain: Neural Correlates of Envy and Schadenfreude」(2009)。
https://authors.library.caltech.edu/records/4gje6-zv621 - ※4 Santamaría-Garcíaほか「A lesion model of envy and Schadenfreude: legal, deservingness and moral dimensions as revealed by neurodegeneration」(2017)。
https://academic.oup.com/brain/article/140/12/3357/4588353




















