
SNSで向けられた一言は、相手にとってどのような意味を持つのでしょうか。
そこで本記事では、話題の投稿を入り口に、以下の4つの構成で「子どもへの性的な言動と性犯罪への理解」をテーマにした話題をお届けします。
- 警察の注意喚起が示されたX投稿の紹介。
- 「性的暴行」に関する2つの豆知識。
「性交等」の定義が変わった、2023年「動けなかった」は、法律の言葉になった
- Xのコメントまとめ。
- 筆者の感想。
今回の投稿に注目しながら、相手の意思と安心を守るために何ができるのか、改めて考えるきっかけになれば幸いです。
それでは早速、話題のX投稿から見ていきましょう。
警察の注意喚起が示されたX投稿のニュース情報
今回の警察の注意喚起が示された投稿を紹介します。
相手の意思や安心を考えるきっかけとして、性犯罪の定義とフリーズの状態に関する2つの豆知識をお届けします。
「性交等」の定義が変わった、2023年
法律用語の「性交等」が指す範囲は、2023年の改正で広がりました。
一定の条件を満たす、体の一部や物を使った挿入行為も含まれるようになっています。
行為の名前だけでは伝わりにくい変更を、改正前後で見ていきます。
改正前と改正後の範囲
改正前の「性交等」は、性交、肛門性交、口腔性交を指していました。※1
2023年の改正で、膣や肛門に陰茎以外の身体の一部または物を挿入する、わいせつな行為も含まれるようになりました。※1
従来は強制わいせつ罪などの対象となり得た行為の一部を、不同意性交等罪として扱うことができるようになった変更です。
なぜこの見直しが必要だったのか
法務省は、身体の一部や物を挿入する行為の取扱いの見直しを、性犯罪に関する改正のポイントとして説明しています。※1
こうした行為による被害の重大さを踏まえ、性交などと同様の類型に位置づける見直しが行われました。※1
身体の一部や物を使えば別の軽い行為になる、という理解では法律の対象範囲を捉えられません。
2023年から「性交等」には、身体の一部や物を挿入する一定のわいせつな行為も含まれます。※1
対象となる行為の範囲を見直し、被害の実態に応じた処罰につなげる改正です。
「動けなかった」は、法律の言葉になった
突然の恐怖や驚きによって、声を出したり動いたりすることが難しくなる場合があります。
法務省の性犯罪に関するQ&Aでも、いわゆるフリーズの状態が説明されています。
その場で抵抗できなかったことを、相手への同意と決めつけることはできません。
フリーズは「同意困難」の例示に入った
2023年の改正では、恐怖や驚愕を生じさせる予想外の事態などが、同意しない意思の形成・表明・全うを困難にする原因として挙げられています。※1
法務省のQ&Aは、その説明の中で、予想外の事態で極度に不安になり、動揺して平静を失う、いわゆるフリーズの状態にも触れています。※1
恐怖で動けない状況は、法律が定める同意しない意思を全うすることなどが困難な状態に当たり得ます。※1
なぜこの明文化が重要なのか
外からは抵抗していないように見えても、本人が抵抗できなかった可能性があります。
法務省の説明は、目に見える反応だけでなく、その反応が生じた状況を考えるための手がかりになります。※1
ただし、個別の事件で犯罪が成立するかは、行為や状況などの具体的な事情によって判断されます。
恐怖や驚きによるフリーズの状態は、法務省のQ&Aで同意困難な状態に関わる例として説明されています。※1
「動けなかった」と「同意した」は同じではないという理解が、被害への向き合い方を変えるきっかけになります。
Xのコメントまとめ
それでは、警察の注意喚起が示された投稿について、Xで寄せられたコメントを紹介します。
筆者のコメント
今回の投稿を見て考えたのは、相手の反応が見えない場所ほど、自分に都合よく受け止めてしまいやすいということです。
写真を公開していることは、その人がどんな言葉でも受け入れると約束したことにはなりません。
投稿を見られる状態にしていることと、性的な言葉を向けられることへの同意は、分けて考える必要があると思います。
書く側は一言で済んでも、受け取る側には怖さや不快感が残ることがあります。
誰かの写真を見て感じたことを、すべて本人に伝える必要はないのではないでしょうか。
特に子どもに対する言葉では、大人が自分の気持ちを抑え、適切な距離を保つことが大切だと感じました。
警察の注意喚起が示された画像を、意外な展開として受け止める人がいるのは分かります。
ただ、その驚きの中で、写真に写る人をさらに話題の材料として扱ってしまうことには気をつけたいです。
元の画像を切り出して何度も広めることが、本人にとって望ましいとは限りません。
話題に触れるときも、必要以上に個人の姿や情報を拡散しない配慮を持ちたいと思います。
豆知識として取り上げたフリーズの説明は、相手の反応をどう理解するかを考えるうえで、とても大切だと感じました。
人は怖い場面で、いつでも声を出したり逃げたりできるわけではありません。
それなのに、後から見て抵抗しなかったと責めれば、その場で動けなかった人をさらに追い詰めてしまいます。
自分ならこうするという想像だけで、他人の反応を評価しないようにしたいです。
同意を考えるときも、明確な拒否がなかったから大丈夫という判断は、相手の事情を置き去りにする危険があると思います。
言いにくさや恐怖、立場の差など、その人が自由に意思を示せる状況だったかを考える視点が必要です。
法律の用語は難しく見えますが、相手の意思と状況を丁寧に見るという姿勢は、日常の関係にもつながります。
仲が良いから、よく話すから、過去に嫌がらなかったからという理由で、今の相手の気持ちまで決めつけないようにしたいです。
また、個別の投稿について犯罪の成立を断定することと、望ましい言動を考えることは分けて進められると思います。
確認できない逮捕や捜査の結果を付け加えなくても、相手を尊重する言葉の選び方について話すことはできます。
今回の話題を通じて、発言した本人の面白さより、向けられた人の安心を先に考える習慣を持ちたいと感じました。
同意や被害への理解は、特別な場面だけで必要になるものではなく、日々の小さなやり取りの中でも育てていけると思います。
引用文献
- ※1 法務省「性犯罪関係の法改正等Q&A」。
https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00200.html





















