
Mrs. GREEN APPLE「シンデレラ」のMV公開を受け、映像や楽曲への思いをつづる声がXに集まっています。
そこで本記事では、「シンデレラ」の公開情報から、以下の4つの構成でニュースと知っておきたい豆知識をお伝えします。
- Mrs. GREEN APPLEのMV公開ニュースの紹介
- 「音楽の感動と記憶」に関する2つの豆知識
- 好きな曲で涙が出るあなたへ:音楽で鳥肌が立つ人だけが持つ「神経回路」の秘密がやばすぎる!
- 頭の中で勝手に流れる音楽の正体が明らかになった!?
- Xのコメントまとめ
- 筆者の感想
今回の話題とともに、音楽による感動や記憶の豆知識にも触れていただき、好きな曲が心に残るおもしろさを改めて考えるきっかけになれば幸いです。
それでは早速、Mrs. GREEN APPLEの公式投稿を見ていきましょう。
Mrs. GREEN APPLEのMV公開ニュースのニュース情報
今回の「シンデレラ」の公開情報を伝える公式投稿はこちらです👇。
今回の「シンデレラ」MV公開をきっかけに、音楽の感動と記憶に目を向けながら、音楽をもっと楽しむための2つの豆知識をご紹介します。
好きな曲で涙が出るあなたへ:音楽で鳥肌が立つ人だけが持つ「神経回路」の秘密がやばすぎる!
好きな曲を聴いて、背筋がゾクゾクしたり鳥肌が立ったりした経験はありませんか。
この現象は「フリッソン」とも呼ばれ、感じ方や頻度には個人差があります。
ハーバード大学などの研究者による小規模な研究では、音楽で鳥肌を感じやすい人とそうでない人の間に、脳の白質の結びつきの違いが報告されました。※1
今回は、音楽による感動体験の裏に隠された脳科学の秘密をお伝えします。
音楽で鳥肌が立つのは脳の「配線」と関係する
ハーバード大学とウェズリアン大学などの研究者は、音楽で鳥肌を感じる傾向と脳の構造の関係を調べました。※1
具体的には、音を処理する上側頭回と、感情などに関わる島皮質や内側前頭前野をつなぐ白質の結びつきが対象です。※1
研究では、鳥肌を感じやすい10人と、そうでない10人の計20人について、MRIの一種である拡散テンソル画像を使いました。※1
その結果、鳥肌を感じやすい群では、これらの領域をつなぐ神経線維束の体積が大きいことなどが報告されました。※1
ただし、生まれつきの違いなのか、経験による違いなのかは、この研究だけでは判断できません。
フリッソンを感じる割合には幅がある
音楽による鳥肌の経験率は研究や質問の仕方によって異なり、原著論文では先行研究の推定として55~86%が紹介されています。※1
したがって、人口のちょうど半分と確定しているわけではありません。
フリッソンは、曲の中で感情が高まる瞬間や、期待と音の展開の関係などから研究されています。※1
似たようなゾクゾクする感覚は、音楽以外の芸術体験でも論じられています。
研究者たちは、こうした反応を、芸術作品への強い感情的反応を調べる手がかりとしています。
推しの新曲で鳥肌が立つのは感受性の一つの現れ
推しアーティストの新曲を聴いて鳥肌が立つことは、音楽によって強い感情が生まれる体験の一つです。
脳の領域間の結びつきと鳥肌の感じやすさには関連が報告されていますが、一人の体験だけからその人の脳構造を決めることはできません。※1
また、ほかの芸術や自然への感動の強さまで、音楽の鳥肌だけで判断することもできません。
ただし、フリッソンを感じないからといって音楽を楽しめていないわけではありません。
人それぞれに音楽の楽しみ方があり、鳥肌が立たなくても音楽から喜びや癒しを得ることは十分に可能です。
白質の結びつきとフリッソンの関係
神経科学の研究では、フリッソンの感じやすさと、特定の領域をつなぐ白質の結びつきとの関連が示されています。※1
白質は、脳の異なる領域をつなぐ「情報の高速道路」のような役割を果たしています。
ただし、この研究は、鳥肌を感じる人の脳全体で白質が多いことや、情報が必ず速く伝わることを示したものではありません。
音の処理と感情に関わる領域の連絡が、音楽の受け止め方の個人差に関係する可能性があります。※1
推しの曲で涙が出たり鳥肌が立ったりする体験も、人それぞれの音楽との関わり方として楽しめそうです。
音楽で鳥肌を感じる傾向と、特定の脳領域をつなぐ白質の構造との関連が報告されています。※1
ただし、感じる人だけに特別な神経回路があると確定したわけではなく、経験率にも幅があります。
推しの曲で鳥肌が立つときも立たないときも、自分なりの感動を大切にしてみてください。
頭の中で勝手に流れる音楽の正体が明らかになった!?
頭の中で勝手に流れる「イヤーワーム」という現象をご存知でしょうか。
実はこの現象から、私たちの音の記憶について興味深いことが分かってきました。
録音の44.7%が示した正確な音の高さの記憶
カリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究者らは、2024年にイヤーワームの音の高さを調べた研究を発表しました。※2
30人の参加者に1週間、頭に流れている歌を歌って録音してもらったところ、録音の44.7%が原曲と同じキーでした。※2
さらに、録音の68.9%は、原曲から上下1半音以内の誤差に収まっていました。※2
これは「44.7%の人」が該当したという意味ではなく、集めた録音に占める割合です。
多くの人が、自覚している以上に原曲の音の高さを覚えている可能性を示しています。
曲の記憶と一般的な「絶対音感」はどう違う?
一般的に絶対音感は、基準音なしで音の高さを音名として識別する能力を指します。※2
論文では一般人口の1万人に1人未満という従来の推定も紹介されていますが、言語や教育環境などによって割合は異なります。※2
今回の研究は、誰もが音名を答えられることを示したのではなく、意識せず思い浮かべた曲に原曲のキーの記憶が残ることを調べています。
先行研究では、よく知る曲を記憶から歌う課題で、約15%が正しいキーで歌えたという報告もあります。※2
頭の中の音楽を記録することで、こうした音の記憶を日常の状態から探れたのです。
脳が音楽をどう記憶するのか
記憶には、全体の形や意味を覚える面と、細部を覚える面があります。
音楽ではメロディーの音程の関係を保てても、原曲のキーまで覚えているとは限りません。
今回の研究では、参加者が意図的に正確なキーを探さなくても、イヤーワームに原曲の音の高さが残る例が多く見られました。※2
ただし、音楽だけに固有の記憶の仕組みを完全に解明したわけではありません。
この発見は、日常の音楽の記憶が、予想以上に具体的な情報を含む可能性を示しています。
あなたの頭の中で流れる何気ない歌も、実は驚くほど正確な音の高さの記憶を含んでいるかもしれません。
特別な音楽訓練がなくても見られるこうした記憶は、人間と音楽の深い結びつきを考える手がかりになります。
Xのコメントまとめ
それでは、「シンデレラ」の映像や楽曲について、Xで見られた反応をご紹介します。
筆者のコメント
「シンデレラ」のMV公開を知らせる公式投稿と、その下に寄せられた感想を見て、音楽は聴いた瞬間だけで終わらないのだと改めて感じました。
見終わったあとに思い出す場面があったり、別のことをしている途中で曲が頭に浮かんだりする時間まで含めて、一つの作品との付き合いなのだと思います。
曲名だけを見て想像する世界と、映像を通して受け取る世界には、それぞれに楽しさがあります。
「シンデレラ」というなじみのある言葉でも、自分の経験や今の気持ちによって、重ねるものは変わるはずです。
今回の返信には、自分を大切にすることを考えたという声や、以前より曲を好きになったという声が見られました。
音楽に触れて自分の気持ちを言葉にしようとする姿そのものに、作品が届いたことの意味を感じます。
もちろん、感想をすぐにまとめられなくてもよいと思います。
胸がいっぱいになる人もいれば、映像の細かいところに目が向く人もいて、曲の響きをじっくり楽しむ人もいます。
涙が出るか、鳥肌が立つかといった身体の反応だけで、好きという気持ちの大きさが決まるわけではありません。
何度も再生したくなる理由も、人それぞれでよいのではないでしょうか。
私は、誰かの解説を読む前に一度自分で受け止めて、そのあとで他の人の感想に触れる楽しみ方が、このような公開には合っていると感じます。
最初に気づかなかった点を知ってから見直すと、同じ映像でも目に入るものが変わりそうです。
逆に、あえて情報を増やさず、自分の中に残った印象をしばらく大切にする時間があってもよいと思います。
SNSでは次々と新しい話題が流れてきますが、一曲を繰り返し味わう速度は、自分で選べます。
話題に追いつくためだけに見るのではなく、そのときの自分に合うタイミングで向き合えると、作品が身近になりそうです。
また、ある日に何気なく聴いていた曲が、別の日には特別な意味を持って響くこともあります。
映像公開をきっかけに聴き直した人にも、今回初めて触れた人にも、それぞれの発見が生まれてほしいです。
作品を受け取った人の感想がさらに別の人の入り口になっていく流れも、今の音楽の届けられ方のおもしろいところです。
私自身も一度の印象だけで結論を急がず、音と映像の両方を楽しみながら、この「シンデレラ」がどんなふうに記憶に残っていくのかを確かめたいと思います。
聴くたびに小さな発見が増えていくような、長く付き合える一曲になったら嬉しいです。
引用文献
- ※1 Sachs et al.「Brain connectivity reflects human aesthetic responses to music」
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4884308/ - ※2 Evans et al.「Absolute pitch in involuntary musical imagery」
https://link.springer.com/article/10.3758/s13414-024-02936-0



















